個人事業を始めるには、いろいろな準備が必要になってきます。
事業を運営していくためのルール(営業時間、雇用条件等)を決めたり、
税務署や役場などに提出する届出書の作成などです。
商号(屋号)を決めよう
商号(屋号)とは簡単に言うとあなたが店舗をかまえたときの店の名称のことです。店舗や事務所を持たないで営業するフリーランスやデザイナーは個人名で活動することが多いですが、店舗や事務所で事業運営する場合は商号(屋号)をつけると良いでしょう。
個人事業の場合は商号(屋号)を登記する必要がありませんので、自分が名乗れば、それが商号(屋号)になります。
ポイント
商号(屋号)を決める際には、つぎのポイントに気お付けましょう
- 相手が覚えやすく、言いやすく聞きとりやすいネーミング
第一印象や信頼感を損なうネーミングは避けましょう。 - 事業内容が分かりやすいネーミング
例)レストラン ○○、喫茶 △△、美容室○○等
※商号(屋号)を決める時に注意すること
登記の必要がないと言っても、禁止されていることがああります。
個人事業なのに、法人と誤解されるようなネーミングは法律で禁止されています。
(例)○○株式会社、△△銀行
また有名ブランドと同じ名前などは避けたほうが良いです。商標登録されていれば訴訟の対象になりかねません。
保険・年金制度は理解しよう
個人事業主は、国民健康保険と国民年金に加入しなけらばなりません。
会社勤めをしていたときには、会社が契約している健康保険と厚生年金に加入していたと思います。会社を辞めた時にはそれらの資格は自動的に喪失されます。
しかし、国民健康保険と国民年金の加入手続きは、自分でやる必要があります。
基本的には退職日の翌日から14日以内に、市町村役場で手続きをする必要があります。
もし、分からなかったら役場に電話して聞くのが一番良いです。
準備するものや必要な書類等、丁寧に説明してくれます。
事業に必要な物は?
個人事業を始める時に、最低限準備したいものは4つあります。
必要なもの4つ
- 名刺
- 事業用の印鑑
- 事業用の預金通帳
- クレジットカード
必要なもの4つをそれぞれ説明していきます。
(1)名刺
名刺はあなたの事業内容を取引先やお客様に知っていただくために、必要な物になります。パソコンとプリンタがあれば簡単に自作できますのでコスト削減のためにも挑戦してみましょう。
名刺を作る時は、次の3つのことに注意をしましょう。
ポイント
- 読みやすいこと
- 連絡先が分かりやすいこと
- 事業内容が明記されていること
(2)事業用の印鑑
事業用の印鑑は各種の手続きをする時や取引先と契約を交わしたり、銀行口座をつくる時に必要になります。
個人事業では個人用の印鑑(みとめ)で済ませてしまう人も少なくありませんが、できれば個人と事業用の印鑑は区別することをおススメします。
個人事業で必要になる印鑑は3つあります。
3つの印鑑
- 実印(丸型)
役場にに印鑑登録されている印鑑のことで、取引先との契約や賃貸契約、売買契約の時に使用されます。 - 角印(角型)
商号(屋号)が刻印されている印鑑のことで、見積書、注文書、領収書、請求書などに使用されます。 - 銀行印(丸型)
事業用の銀行口座をつくる時に使用されます。
(3)事業用の通帳
事業用の預金口座を作りましょう。個人と事業の預金口座は別々にすると事業に関わるお金の流れが一目瞭然になるので、経理の作業が楽になります。
もし、あなたが青色申告で確定申告を考えているなら売掛帳や買掛帳、現金出納帳などの帳簿つけが必要になってきますが、事業用のお金の流れが明確になっていれば帳簿つけも楽になります。
(4)クレジットカード
手持ちの資金が不足した時の助けになりますので、1つは作っておきましょう。
事業運営に必要なルールづくり
事業運営のためのルール決めておくことはを、事業を継続させていくために必要なことです。
事業運営のためのルールは、大きく分けて2つあります。
ルールは2つ
- 営業上のルール
- 労働条件に関わるルール
それぞれのルールを説明していきます。
営業上のルール
営業上のルールとは営業時間や定休日、業務マニュアルなどでお客様や取引先、従業員から見えるルールのことを言います。
項目 | ポイント |
営業時間 | 「午前〇時〇分~午後〇時〇分まで」分単位で明記する。飲食店はラストオーダーの時間も明記する。 |
定休日 | 「毎週〇曜日」と曜日を基準に決める。GW、夏季、年末年始の休業日も決めておく。 |
価格 | 小売り、飲食店は商品の価格表を作成、サービス業などはサービス内容と時間で料金体系を作成する。 |
業務マニュアル | 服装、髪型などの外見上のルール、衛生上のルール、実務上のルールを決める。 |
締め日と支払い日 | 「毎月〇日締め翌月〇日払い」と仕入先や外注先への支払い期日を決める。 |
支払い方法 | 現金手渡し、銀行振込、手形取引かなどを決める。 |
労働条件に関わるルール
労働条件のルールとは、従業員の働き方に関するルールのことです。従業員の労働条件は労働基準法によって決められていますので、事業主はこれを守る義務があります。
そして労働条件はすべて、労働基準法の範囲内で決めなければいけません。
項目 | ポイント |
就業時間 | 労働基準法の範囲内で時間を決める。 |
休憩時間 | 労働基準法の範囲内で時間を決める。 |
休日 | 労働基準法の範囲内で時間を決める。 |
給与 | 基本給、日、残業代、賞与の有無などを決めて、給与計算をする。 |
もしあなたが、従業員を雇うなら労働基準法についても理解しなけらばいけません。書店へ行くと労働基準法のことが、分かりやすく書いてある本がたくさん売られていますので1冊は購入することをおススメします。
ポイント
大切なことは、持続可能なルールづくりをするということ、そして作ったルールは必ず守るということです。 これが、お客様や取引先、従業員から信頼を得ていくことにつながります。
従業員をあつめるには
個人事業で従業員を雇うということはリスクが高いです。それでも、どうしても人手が必要な時もあります。
個人事業で求人をする時に大切なことは、費用をかけないことです。信用度の低い個人事業では、求人広告や求人サイトで費用をかけて募集をしても、それに見合った費用対効果は生まれません。
利用するのであれば、公的機関である公共職業安定所(ハローワーク)をおススメします。ハローワークなら費用は一切かかりません。